【滋賀】藤ヶ崎龍神社の伝説！妙得龍王と白蛇のミステリーに迫る

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画像はイメージです。

こんにちは。
前回（アクセス・基本情報）は、岩の隙間を潜り抜ける「内宮」への冒険ルートをお伝えしました。

さて、ここからは少しディープなお話です。
皆さんは、あの暗い洞窟の中で、背中に「視線」を感じませんでしたか？

藤ヶ崎龍神社には、二つの顔があります。
琵琶湖を背にして立つ、開放的な外宮の「藤ヶ崎龍神」。
そして、光の届かない岩の奥底に潜む、内宮の「妙得龍王（みょうとくりゅうおう）」。

実は、この内宮の神様は、古くから「白蛇（しろへび）」の姿をしていると伝えられています。

「龍と蛇、どう違うの？」

そう思うかもしれません。
しかし、ここには「美しくも、少し怖い伝説」が隠されています。
なぜ、あんな狭い隙間の奥に神様が祀られたのか。
なぜ、地元の人々はここを「絶対に粗末にしてはいけない場所」として畏れ敬うのか。

この記事では、藤ヶ崎龍神社を包む「光と影のミステリー」を紐解きます。
歴史を知れば、あの洞窟の静寂が、より深く、尊いものに感じられるはずです。🐍🐉🕯️

外宮

内宮

藤ヶ崎龍神社が他の神社と決定的に違うのは、「光と影」のコントラストが極端な点です。

【外宮（そとみや）】
祀られているのは「藤ヶ崎龍神」。
琵琶湖に向かって開かれ、風と波を受けるその姿は、荒々しくも頼もしい「男神（父性）」の象徴。
あらゆる災いを跳ね除ける、強烈なバリアのような力を感じます。

【内宮（ないく）】
一方、洞窟の中に祀られているのは「妙得龍王（みょうとくりゅうおう）」。
こちらは、深く、静かにすべてを受け入れる「女神（母性）」の象徴です。
京都の貴族の妻が、龍神の化身としてここに鎮まった……という伝承も残されています。

この二柱が背中合わせに存在することで、ここは完璧な「陰陽（いんよう）」のバランスが保たれているのです。
どちらか一方だけでは足りません。
両方にお参りすることで初めて、心（内）と体（外）が整う仕組みになっています。

内宮の妙得龍王は、しばしば「白蛇（しろへび）」の姿で現れると言われています。
実際、地元の方の中には「雨の日に岩場で白い蛇を見た」と語る人も少なくありません。

「蛇」と聞くと少し怖く感じるかもしれませんが、古来より蛇は「水の神様」であり、脱皮を繰り返すことから「再生と復活」のシンボルでした。

ここでの白蛇は、決して人を祟るような存在ではありません。
むしろ、私たちが抱える執着や古い殻を脱ぎ捨てさせ、新しい自分へと導いてくれる神聖な使いなのです。

洞窟の奥、ゆらめく蝋燭の炎を見つめていると、岩肌の影が動いたように見えることがあります。
それはもしかしたら、龍王があなたの心の奥底を覗き込んでいる合図かもしれません。

この神社の参拝方法は、非常に示唆に富んでいます。
狭く、暗い岩の隙間（産道）を通って、神様のいる中心部（子宮）へ入り、再び外の光（現世）へと戻ってくる。

これは、まさに「生まれ変わり（リバース）」の儀式そのものです。

洞窟に入る前の自分と、出た後の自分は、もう別人。
不要なものを暗闇に置いてきたからこそ、身軽になり、願いを引き寄せるスペースが心に生まれるのです。
「怖いほど願いが叶う」という噂の正体は、この強烈な「自己浄化作用」にあるのではないでしょうか。

項目	詳細
外宮の神	藤ヶ崎龍神（男神・陽）
内宮の神	妙得龍王（女神・陰・白蛇）
伝説の由来	京都の冷泉家の妻が、夫への想いから龍となり、この地の洞窟に入定したという説も。
お供え物	生卵（蛇神様の好物として、よくお供えされています）