【滋賀】妙感寺の歴史深掘り！信長の兵火と千手観音・水口御殿の謎【湖南】

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こんにちは。
前回（アクセス・基本情報）は、スリル満点の道のりと、その先に待つ深い静寂についてお話ししました。

狭い道を抜け、たどり着いた本堂。
そこに足を踏み入れた瞬間、不思議な違和感を覚えませんでしたか？

「なぜ、これほど立派な建物と仏像が、こんな山奥にひっそりとあるのか」

その答えは、本堂前の案内板に刻まれた衝撃的な一文にありました。
『織田信長の兵火に罹り……』でました、またしてもあの織田信長様です。

そう、この静寂に包まれた妙感寺は、かつてあの信長によって焼き払われ、そこから不死鳥のように蘇った歴史を持つ場所だったのです。
さらに、建物は皇室ゆかりの「水口御殿」を移築したものだという事実。

この記事では、ただ静かなだけではない、妙感寺の「激動の歴史」と、見る者を圧倒する重要文化財「千手観音菩薩」の凄みを深掘りします。
雨音だけが響く空間で、700年の物語に耳を澄ませてみましょう。☔🧘📜

境内の静けさに身を委ねていると、ここがかつて戦火に包まれた場所だとは信じられません。
しかし、本堂の前にある案内板には、衝撃的な一文が刻まれていました。

「織田信長の兵火に罹り……」

そう、この静寂の地も、かつてあの織田信長によって焼き払われた過去があるのです。
元亀年間（1570年代）、信長の近江進攻により全山焼失。
しかし、妙感寺はそこで終わりませんでした。

万治年間（1660年頃）、名僧・愚堂（ぐどう）国師の手によって見事に再興。
一度は灰になりながらも、数百年かけて今の「静寂」を取り戻したこの場所。
苔の一本一本にまで、再生のエネルギーが宿っているように感じるのは、そのせいかもしれません。

「それにしても、山寺にしては建物が立派すぎないか？」
参拝中に感じたその違和感、実は正解です。

現在の方丈（開山堂）は、なんと後水尾天皇の中宮・東福門院（徳川和子）の住まいの一部（水口御殿）を移築したもの。
つまり、皇室ゆかりの建物なのです。
質素な中にも漂う隠しきれない「気品」の正体は、ここにあったのですね。

👤 創建者の孤独と静寂
そもそもこのお寺を開いたのは、南北朝時代の藤原藤房（授翁宗弼）。
後醍醐天皇の側近でしたが、世の無常を儚んでこの地に隠れ住んだと言われています。
彼が求めた「誰にも邪魔されない静寂」は、700年経った今も、そのままの形で私たちを癒やしてくれています。

そして、この寺の真髄とも言えるのが、ご本尊の「木造十一面千手観音坐像」です。
案内板によると、そのスペックは以下の通り。

薄暗いお堂の中で対面した瞬間、「鳥肌」が立ちました。
ただ古いだけではない。
金泥で仕上げられたそのお体は、長い年月を経て鈍く光り、すべてを見透かすような眼差しでこちらを見下ろしています。

思わず無意識に手を合わせてしまう。
それは信仰心云々を超えて、圧倒的な「美」と「歴史」への降伏なのかもしれません。

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